アンケート調査がしたいけどいくらくらいかかるんだろう?
できるだけ安くネットリサーチを実施したい。
そんな方向けに、いま最も安くアンケートがとれる方法をお伝えします!
とはいえ、何が何でも安く取れればよい、というわけではないですよね。
この記事を読むと、最も安くアンケートをとれるツール(方法)を知ることができ、さらに、あなたの目的に合ったツールを選択できるようになります。
※直接コンタクトのとれる、顧客や会員、社員、生徒、フォロワーに依頼する想定の場合は別の話になります。
500円でアンケートがとれる3つのツール
500円でアンケートがとれる方法、それはずばり、
の3つです。
「クラウドワークス」と「ランサーズ」はクラウドソーシングのサイト、「フリージー」はセルフ型ネットリサーチです。
それぞれどう違うのか、説明していきますね。
「クラウドワークス」と「ランサーズ」
「クラウドワークス」と「ランサーズ」は、クラウドソーシングのサービスで、仕事を依頼したい人と仕事がしたい人をマッチングしてくれるサイトです。
アンケートがメインのサイトではないのですが、会員に依頼できる仕事の中に「アンケート」があります。
スキマ時間を活用したい主婦の方や、副業で稼ぎたい会社員の方が多く登録しているので、主にそのような方がアンケートに答えてくれます。
結論から言ってしまうと、この2つが最も安くアンケートがとれる方法です。
ただし万能ではないので、目的に合っているか確認した上で使っていただくと良いと思います。
「クラウドワークス」と「ランサーズ」の違いは、ほぼありません。
どちらか迷ったときは、「クラウドワークス」で良いと思います。会員数も多いですし、サイトも少しだけ使いやすいです。
「クラウドワークス」と「ランサーズ」は内容が重複するため、これ以降は「クラウドワークス」をメインでご説明させていただきます。
フリージー(Freeasy)
これは聞いたことがある人は少ないかもしれません。
分類としては、「セルフ型ネットリサーチ」といいます。
元々WEBアンケート(ネットリサーチ)は、私が勤務していたような調査会社専売のサービスで、専門性の高いリサーチャーがアンケートの設計や回収を行うため料金が高く、敷居の高いものでした(マクロミルが最も有名かもしれません)。
かつてのアンケート調査の方法は、郵送や訪問、電話等がメインだったのですが、2000年頃からインターネットの普及によって、WEBでのアンケート調査がメインになっていった、という流れです。
ですが2010年頃から、調査会社ではなく「システム会社」が、誰でも使えるアンケートシステムを開発しました。設問の設計や分析、回収まわりのサポートが無いため自分で行う必要はありますが、その代わりに安くアンケート調査ができる仕組みが「セルフ型ネットリサーチ」です。
機能としては調査会社が使っているシステムと大差無いので、やろうとすれば安価に本格的なアンケート調査を行うことも可能です。
「セルフ型ネットリサーチ」は様々な企業が出していて料金も大差ないのですが、「最低料金」が1万円とか5万円とか、決められているものが多いです。
その中でも500円からアンケートがとれるのがこの「フリージー」です。500円だと最大で50名までとなりますが十分安いですし、機能も充実しており使いやすいシステムです。
こんなときはこのツールが最適!
「で、どれを使えばいいの?一番安いクラウドワークスでいいの?」と思われると思いますので、まず結論からお話いたします。
とにかく1円でも安く簡単なアンケートをとりたい時は、【クラウドワークス】
簡単なアンケートというのは具体的には、以下の感じです。
- 回答数500件程度まで
- 目標の回答数が集まらなくても諦められる
- 選択式のみなら10問以内程度
- 記述式のみなら5問以内程度
- 回答者の条件を厳しく限定しない
(一般的に10人に1人が当てはまるくらいの条件くらいであれば、クラウドワークスで集まる可能性があります。例えば、「猫を飼っている人100名に聞きたい」くらいならいけますが、猫の種類を指定したりすると難しいと思います。) - 回答者が30~40代中心で良い場合
上記のレベルを超えてくると回答の報酬を上げないと集まらなくなるので、要検討です。
文章でしっかり回答してほしいときは【クラウドワークス】
- 画像やサイトを見て感想をしっかり文章で回答してほしいとき
- アイデアを募集したいとき
クラウドワークスの特徴として、「回答を依頼主が承認しないと報酬が支払われない」というのがあります。そのため適当な回答が少ない傾向にあります。
文字入力形式の設問に「文字数の下限」を設定できるため、一言で終わってしまうことも防げます。
また、クラウドワークスのアンケートは改ページが無いことに加え、回答前に設問内容を確認することができます。そのためじっくり考えてから回答してもらうことが可能ですし、設問内容を見て「この内容だと回答するのが難しそうだな」と思った人は回答を控えることもできます(報酬目的で無理に答えてしまう人も一部出ますが)。
ただし、文章で長く回答してもらう場合は1回答あたりの報酬は高めに設定しないと集まりにくいのでご留意ください。
しっかりと定量的に検証したいときは【フリージー】
「定量」というのは、選択式の設問で、言葉ではなく数(割合)を分析することを意味します。「しっかりとした調査」の定義が曖昧で恐縮ですが、以下のいずれかに当てはまる場合は「フリージー」の方が良い場合が多いです。
- 性年代や職業、居住地等の条件を厳密に限定して回答を集めたい
※多少費用と知識が必要ですがスクリーニングもできるので、基本情報以外でも絞り込みができます(猫を飼っていて、かつ「ちゃおちゅーる」を買っている40代女性100人等。スクリーニングの方法は本書では割愛します)。 - 性年代ごとに割合を比較したい
(20代女性100人、30代女性100人、40代女性100人等) - 性年代等の条件で回答者を絞り込んだ上で500件以上回答を集めたい
- 設問ごとに改ページをしたり、設問分岐を設定したい
例)Q1で選択肢2を選んだ人のみQ3に答える/Q1で選んだ選択肢のみQ2に表示させる
例)最初に対象品を提示せずに回答してもらい、設問の最後に対象商品の画像を見せて回答させる
回答者の性年代・職業などの基本情報をあらかじめ絞り込んでアンケートを配信できることや、複雑な設問や配信の設定にも対応可能なのが「フリージー」をはじめとする「セルフ型ネットリサーチ」の特徴のひとつです。
10代や50代以上の回答を集めたいときは【フリージー】
セルフ型ネットリサーチは、「クラウドワークス」に比べて回収できるサンプル数(回答数)が圧倒的に多く、幅広い性年代の方の回答を集めることができます。
一方、クラウドワークスは会員の年代の偏りが大きく、特に10代や60代はほとんどいないので回答を集めるのが難しいです。20代は、年代以外の条件無しで100名程度なら「クラウドワークス」でも集まるかもしれませんが、それ以外の条件で絞り込むのは難しそうです。
集計やグラフ作成を自分でやりたくない人は【フリージー】
クラウドワークスはエクセルで回答の一覧がダウンロードできるのみです。フリージーは、クラウド型の集計ツールが使えるので、グラフやクロス集計表をボタンひとつでダウンロードすることができます。
料金比較!
ここからは項目ごとに細かくご説明していきます。
まずは一番気になる料金体系から。
クラウドワークスの料金
【クラウドワークス】は、1回答あたりの報酬(回答者に支払う金額)を自分で決めることができます。
設問数関係なく、1回答あたり最低5円でアンケートをとることができます。100人から回答を集めても、5円×100人でたったの500円です。
※トータルで最低300円以上から発注が可能です。
これは本当に安いですね。1回答5円で設定した場合、回答者には4円の報酬が支払われます(クラウドワークスの取り分が1円)。なので、こちらが支払う金額は本当に500円だけです。
ただ、意識してほしいのは、「このアンケート内容は4円の報酬で回答してもらえるボリュームか?」ということです。
回答に時間がかかるアンケートの場合は5円の設定ではなかなか回答が集まりませんので、適宜報酬の増額が必要です。
また、回答者の条件が厳しい場合も報酬を上げて回答を集める必要が出てきます。
フリージーの料金
【フリージー】の料金体系はとてもシンプルで、1問1回答10円です。
50回答刻みで設定できるので、最低料金は、1問50回答で500円となります。
2問で100件の回答を集めるなら、2問×100回答×10円=2000円です。
性年代・未既婚・子供有無・居住地(都道府県)・職業・世帯年収・住居形態については、質問内で聞く必要はありません。
これらの情報はアンケート結果と一緒についてきます。例えば、「性年代」と「子供有無」と「自動車所有有無」を聞きたいときは、「自動車所有有無」の1問だけで済むことになります。
また、マトリクス(表形式)の設問が設定できるので、内容によっては1問で10項目聞くことができます。例えば以下の図のように、1問で複数商品の購入経験を聞くことが可能です。
回収力!どんな人が何名程度回答してくれるのか
クラウドワークスの回収力
「クラウドワークス」は、回答者の条件を指定せず、簡単な内容であれば1回答5円の報酬でも最大1,000名程度の回答が集められそうです。
もし、簡単な内容で1回答100円くらい出せば10,000名程度の回答が集まるかもしれません。ただ、この単価になると、10問未満であればフリージーの方が安くなります。
また、回答数が多く必要な場合は、性年代等の条件で均等に集めたい場合等も多いと思いますので、フリージーの方が良いケースが多くなると思います。
男女比はほぼ1:1なので問題ありません。
年代は偏りが大きく、30代が40%以上を占めています。ですので、年代の指定をせずにアンケートを依頼すると、半数近くが30代になる可能性が高いです。
また、10代・50代・60代は非常に少ないため、これらの年代に限定して100件の回答を得るのは難しいです。
20代は年代以外の条件無しで100名程度なら1件5円でも集まるかもしれませんが、年代以外の条件で絞り込みたいときは厳しいと思います(猫を飼っている20代女性、のように限定すると難しい)。
回答者の職業は、フリーランスや副業している会社員、子供が生まれて職場を離れた主婦の方などが多いようです。職種はライター、デザイナー、エンジニアが多いです。
そのため、例えば「副業している割合」などはかなり高い結果が出てしまうのでご注意ください。
フリージーの回収力
「フリージー」は、最大5万人の回答を集めることが可能です。
「そんなに要らないよ」と思うかもしれませんが、総数が多くないと、性年代や未既婚、居住地、職業等で絞り込んだ時に数が足りなくなるので重要なポイントです。
一番回答者が少ない10代男性でも200名程度なら回答が集まります。
70代以上でも1000名以上の回答が余裕で集まります。
職業に偏りはあまり無さそうですが、回答してくれる人たちは、いわゆるポイントサイトのようなところに登録している人達です。
アンケートに答えて数円のポイントを集めている人達なので、価格感度を確認する際には注意が必要かもしれません(これはクラウドワークスでも同様ですが)。
また、これもクラウドワークスと同様ですが、パソコンやスマホ所有率も、一般の方よりも高く出ますのでご注意ください。
対象者の絞り込み
アンケートを実施するときに、「誰でも良いから答えてほしい」というケースは少ないです。
「20~30代の女性に答えてほしい」とか、「子供がいる人に答えてほしい」とか、「会社員の人に答えてほしい」のように、目的に合った人だけに回答してほしいケースがほとんどではないでしょうか。
そのため回答者をどうやって絞り込むかが問題になります。
ここが「クラウドワークス」と「フリージー」の大きな違いです。
クラウドワークスは回答者を絞り込めるか
「クラウドワークス」は、回答者の条件を絞り込む機能はありません。
つまり、クラウドワークスの登録者全員がアンケートに回答できる状態、ということです。
そのため回答者を絞り込みたい場合、例えば、「このアンケートは40代の女性のみお答えください」というようなタイトルと説明文をつけて回答を集めます。
この場合の問題点は、「本当に回答者が40代の女性なのかがわからない」ということです。
回答してくれる人は、回答してポイントが欲しいわけです。
そのため、アンケートの対象でないのに嘘をついたり、もしくは気づかずに回答してしまう可能性があります。
対策としては、対象者かどうかをチェックする設問を入れておいて、対象外の人を承認しない/集計時にその人の回答をカットする、というやり方があります(例えば40代女性が対象であれば、性別と年代を聞く設問に男性や40代以外の選択肢も入れておきます)。
ただ、それでも完ぺきではなく、嘘をついて対象者の条件に合った回答をされてしまうと防ぎようはありません。
過去の事例では、女性を対象に100名のアンケートを取ったところ、男性が4名含まれていました。
また、年齢や未既婚の他に、商品の購入経験など複数の回答条件を提示したときは、条件に合わない方が20%程度出たこともあります(恐らく回答条件を細かく読まずに回答する人が多いのだと思います。5円のためですから仕方ないですけどね)。
それを許容できるか、というところが「クラウドワークス」を使うかどうかの分かれ目です。
フリージーは回答者の絞込ができる
「フリージー」は、回答者の基本情報がすでに登録されているため、それを元にアンケートの配信時に回答者を絞り込むことができます。
対象外の人にはアンケートが表示されません。
具体的には、以下の8項目を組み合わせて絞り込みができます。
- 性別
- 年代(10歳刻み/5歳刻み)
- 未既婚
- 子供有無
- 居住地(都道府県)
- 職業
- 世帯年収
- 住居形態
そして、事前に「その条件に合致する人の回答がどのくらい集まるか」を確認することができます。
例えば、「年収1,000万円以上の40~50代男性」で絞り込むと、1000件程度の回答を集められることが事前にわかります。
スクリーニングについて
上記以外の条件で絞り込みたいときは、「スクリーニング」という機能を使います。
これを使うと例えば「競合商品を使っている人」という条件で絞り込むことも可能です。
これをやりたい場合は「フリージー」を含むセルフ型ネットリサーチを利用するか、調査会社に依頼する形になります。 ※長くなってしまうので本記事では割愛します。
割付について
また、「フリージー」では性年代別の「割付」が可能です。
例えば、
- 20代男性100件
- 30代男性100件
- 20代女性100件
- 30代女性100件
のように、均等に回答を集めることができます。
目的によっては、人口比率に合わせて件数を調整するのも良いですね。
機能比較!(どのような設問設定ができるか)
クラウドワークスの機能
「クラウドワークス」のアンケートシステムは、最低限の機能しかありません。
可能なのは以下の設定のみです。
- 単一回答(ひとつだけ選択)
- 複数回答(あてはまるものすべて選択)
- 自由回答(文字入力)※文字数制限可
- 画像表示(設問内に画像を設定できますが、回答者がクリックしないと表示されません。画像を閲覧しないで回答してしまう人が出てしまいます)
設問数10問程度までで、全ての設問に全員が回答する形のアンケートであれば、機能的にあまり問題は出ないと思います。
難しいのは以下のような場合です。
画像を必須で見てもらうのは難しい
クラウドワークスでは、設問文に画像を添付することができます(ランサーズではできません)。ただ、設問文付近にある画像のリンクをクリックしないと画像が表示されない仕組みです。クリックを必須にできないため、画像を見ずに適当に回答してしまう人が一定数出てしまいます。明らかに画像を見ずに答えている人の回答を除外して分析するなどの対応が必要になるかもしれません。
設問分岐が設定できない
「この設問は前問で○○と回答した方のみお答えください」のような設定はできません(設問分岐といいます)。クラウドワークスでこれをやりたい場合は、「この設問は前問で○○と回答した方のみお答えください」と文字で表示させるしかないのですが、対象でないのに答えてしまう人や、回答の対象なのに答えない人が5~10%程度は出てしまいます。
一方で、「クラウドワークス」が「フリージー」に勝る点は、
文字入力の設問で文字数の下限を設定できる点です。
基本的にアンケートに答えるのは面倒な作業ですし、効率よく稼ぎたい人も多いので、文章回答の設問を設けると「わからない」「なんとなく」などの一言の回答が一定数出ます。
そのため文章回答がメインのアンケートの場合に困ってしまうのですが、「クラウドワークス」では
「○文字以上でないと回答を完了できない」という設定ができるため、ある程度しっかりした文章で答えてもらうことが可能です。
さらに、「必須キーワード」の設定も可能で、指定のキーワードを文章中に含めないと回答が認められない、という機能もあります。
クラウドワークスで複雑なアンケートをとる方法
「クラウドワークス」のアンケートシステムの機能の弱さを解決する方法としては、GoogleフォームなどのアンケートASPで設問を設定して、そのURLをクラウドワークス内に提示してそこから回答してもらう、という方法があります。
※本記事では割愛しますがご興味がある方はご相談ください。
フリージーの機能
「フリージー」は、調査会社で使用するアンケートシステムとほぼ同等の機能があります。すべて挙げるとキリがないので、よく使う機能だけご紹介します。
設問分岐
例えば、Q3の「買いたくない理由」を、Q1で「買いたくないと答えた人」だけに表示する機能です。
アンケートを量的にしっかり分析しようと思ったら、必須の機能だと思います。
選択肢の表示条件
例えば、Q1で「子供がいる」と選択した人だけに、Q3で「子供が食べられるから」の選択肢を表示させることができます。
この機能が無い場合、子供がいないのに「子供が食べられるから」を選んでしまう人が出てしまいます。その場合は集計時にデータをカットするか修正する手間が発生しますので、予め制御できると楽ですし、整合性のとれた回答が得られます。
セルフ型ネットリサーチでこの機能あるものは少なく、「フリージー」のオススメポイントのひとつです。
選択肢に文字入力欄をつける
「その他」の選択肢につけることが多いですね。
クラウドワークスにはこの機能が無いので、「前問でその他を選んだ人は、内容を具体的にお答えください」という設問を別途設ける必要が出てしまいます。
排他選択肢の設定
当てはまるものを複数選ぶ設問の場合、「あてはまるものはない」という選択肢を設けることが多いです。
複数選択の設問の場合、「あてはまるものはない」を選んだ人が他の選択肢を選べないようにするのが「排他」です。
この機能が無いと、例えば「魅力点を教えてください」という設問に対して、「あてはまるものはない」と「おいしそう」をどちらも選択する人が出てしまいます。
その場合、集計前に回答データをカットするか、修正する必要があるため手間がかかります。
画像やリンクの挿入
設問内に画像を表示させることができるので、画像を見てから、または画像を見ながら回答してもらうことが可能です。
画像は設問文の上や下に表示できるほか、選択肢ひとつひとつに画像をつけることも可能です。
「クラウドワークス」でも画像の挿入は可能ですが、画像リンクをクリックしないと表示されない仕様のため、画像を見ずに回答する人が一定数出てしまいます。
また、「フリージー」ではURL(リンク)の挿入も可能で、クリックしないと次の設問に進めないように設定することができます。WEBページを見てから回答してもらうとき等に便利です。
回答の信頼性
どのくらいちゃんと回答してくれるの?という点は非常に気になると思いますが、まず前提として、「クラウドワークス」だろうと「フリージー」だろうと、依頼主が見ていないところで回答するので、適当回答や回答ミスは一定数出てしまいます。
ですが、「じゃあWEBアンケートなんて信用できないよね」と考えてしまうのは短絡的で、非常にもったいないです。
多少不備回答が出ることなんて軽く吹き飛ぶくらい、圧倒的に利便性やコストパフォーマンスが高いのがWEBアンケート(ネットリサーチ)です。
対策としては以下が考えられます。
- 回答数を多く集めて不備回答の影響を小さくする
- 適当回答を見抜くための設問を入れておき、後で不備回答をカットする
- 予め余裕をもって1~2割増しで回収する(100件回答を集めたいときは不備を見越して110~120件くらい集めておく)
それに加えて、アンケートの内容をわかりやすく、回答負担の少ないものにすることも大切です。
基本情報の信頼性
まずは、基本情報の信頼性について説明します。
※基本情報とは、ここでは「性年代・未既婚・子供有無・居住地(都道府県)・職業・世帯年収・住居形態」とします。
「対象者の絞り込み」の項目と重複しますが、「クラウドワークス」は、上記の基本情報で回答者を絞り込む機能がありません。
そのため、例えば「30代の女性のみ回答してください」と提示して答えてもらうのですが、30代の女性以外の人でも回答できてしまうため、対象外の人にも一定数回答されてしまいます。
内容によっては最大で20%程度が対象外の方が回答してしまうこともあるので、それを頭に入れた上で設問を作成したり、アンケートを実施してください。
一方、「フリージー」は、登録時の情報で性年代などの絞込みができ、回答データもその登録情報がついたものがダウンロードできるので、基本情報はかなり信頼できると思います。(20代なのに30代と嘘をついて登録する人はほとんどいないと思いますので)。
回答の信頼性
次に、どの程度ちゃんと回答してくれるのかを比較検討します。
前述したように、クラウドワークスでもフリージーでも、どちらも一定数の不備回答は出るので、大差ないとは思います。
ただ、回答の質は「クラウドワークス」の方が若干高いのではないかと思います。
その理由は、「クラウドワークス」ではアンケートの依頼主が回答を承認しないと報酬が支払われない仕組みになっているためです。
また、「クラウドワークス」の登録者は、回答が承認されないと報酬がもらえないだけでなく、その人のプロフィールに表示される「承認率」が下がります。
仕事を依頼する人は、登録者の「承認率」を見て仕事を依頼するか決めることができますので、クラウドワークス内でアンケート以外の仕事をしている人は「承認率」が下がるのを避けたいため、ちゃんと回答する可能性が高いです。
特に文章で回答する質問は、「クラウドワークス」の方が質が非常に高い印象を受けます(ライターの方が多いのが影響しているかもしれません)。
従って、30代を中心に簡単なアンケートを取りたい場合は、クラウドワークスが最適だと思います。
一方で「フリージー」を含む「セルフ型ネットリサーチ」には、不備回答をした人に報酬を払わないような機能はありません。
回答者を管理している会社や調査会社が、適当回答者にはアンケートを配信しないように都度チェックしているとは聞きますが、どこまで機能しているかはわかりません。
ただ、色々と懸念を述べてきましたが、ちゃんと答えてくれる人が圧倒的に多いですし、大手企業もフリージーと同様のシステムと回答者(パネル)を利用して調査をしていますのでご安心ください。
とはいえ、「ひとりも適当回答を出さない」ということはできないので、そこを頭に入れた上で設問の設計や回収数の設定、分析等を行ってください。
情報の機密性
アンケート内で提示した画像や、新商品の情報が流出しないか??という点が気になる場合があると思います。
厳密には、「クラウドワークス」であろうと「フリージー」であろうと、流出を100%防ぐのは不可能です。
それをやろうとすると、信頼できる知り合いに直接答えてもらうか、会場に人を呼んでその場で回答してもらう「会場調査」をやるしかありません(会場調査は調査会社に頼むと100名で100万円近くかかります)。
アンケートからの情報流出が問題になったケースを今までに聞いたことはありませんが、情報流出のリスクを許容できる場合のみWEBアンケートができる、というのが前提にはなります。
クラウドワークスの情報の機密性
「クラウドワークス」は、アンケートの内容を誰でも見ることができてしまう点が懸念です。
クラウドワークスの会員でなくても、アンケートの内容がGoogle検索でヒットしてしまう状態、ということです。
オプションで6000円を追加すれば、クラウドワークスの会員しか閲覧できない設定にすることは可能ですが、それでもクラウドワークスの会員全員が閲覧できてしまいますし、オプションでこの費用はちょっと高く感じます。
フリージーの情報の機密性
一方「フリージー」は、アンケートに回答した人しか内容を見ることができません。100人にアンケートを取った場合は100人にしかその情報を閲覧されない、ということです。
この点においては「クラウドワークス」に比べると安心かもしれません。
おわりに
以上、最も安くアンケートがとれるサービスをご紹介させていただきました。
目的に合わせて最適なアンケートツールを活用し、日々の業務にお役立ていただければ幸いです。
判断に迷ったときはぜひお気軽にご相談ください。