飲食店のお客様アンケートでできること
飲食店のお客様アンケートで、お客様のニーズを把握することができます。
ニーズを把握できると、どんな施策を打てばよいかわかります。
それが分かれば売上が伸びます。
重要なのはお客様を理解すること。お客様視点で施策を考えることです。
これは商売の本質です。
この記事にたどり着いたということは、あなたはそのような視点を持っている、ということです。
商売の本質を理解している、ということです。
とはいえ、お客様はそこまでアンケート回答に時間をとれません。
なのでアンケートの目的を絞る必要があります。
お客様のニーズを知って何がしたいか?
アンケート結果を元にどんなアクションを起こすか?
「このアンケートは○○のためにとる!」
と端的に言えるようにしてから質問を考えていきましょう。
今回は、「お客様アンケートでリピーターを増やすための施策を検討する」という目的の場合のアンケートの例をご紹介します。
リピーターを増やすためのお客様アンケート例(テンプレート)
以下は、飲食店でリピーターを増やすためのお客様アンケートの例です。
このくらいなら一枚の紙に収まると思います。
この後このアンケートの意味を解説していきます。
いつも当店をご利用いただきありがとうございます。
このアンケート結果は、サービスの改善に活用させていただきます。
何卒ご協力のほどお願いいたします。
【Q1.性別】
男性 ・ 女性
【Q2.年代】
10代・20代・30代・40代・50代・60代・70代以上
【Q3.来店頻度】
週1回以上・月2~3回・月1回・2~3ヶ月に1回・半年に1回・1年に1回・今回が初めて
【Q4.来店時間】AM・PM( )時
【Q5.今日注文したメニュー】
セットメニュー・メインメニューのみ・ドリンクのみ・その他(コメント欄)
【Q6.誰と来店しましたか】
ひとりで・仕事関係・友人・夫婦・家族(子供含む)・その他(コメント欄)
【Q7.他に色々な店がある中で、当店をお選びいただいた理由(魅力点)は何ですか?】
【Q8.前問の「当店を選んだ理由」に関するご要望がありましたら教えてください。】
【Q9.その他何かございましたらご自由にお書きください。】
ご回答ありがとうございました。
リピーターに聞くことが重要
リピーターを増やす施策を検討する際に重要なことは、「リピーター」がリピートしている理由を把握することです。
リピーターが魅力に感じている点を明確に把握して、その魅力を伸ばしたり、効果的に伝えていくことがリピーターを増やす秘訣です。
よく間違えてしまうのが、「リピートしていない人」に、リピートしない理由を聞こうとしてしまうことです。
よく考えてみてください。あなたは1回しか行ったことのない店にもう一回行かない理由をちゃんと答えられますか?
特に理由が無かったり、「たまたま入っただけ」とか、「遠いから」、「価格が高い」、そんな理由しか出てこないのではないでしょうか?
これらの理由でリピートしないのであれば、あなたのお店のターゲットではない可能性が高いです。
ターゲットでない人の意見を反映させてしまうと、リピーターが離れてしまう可能性があります。
例えば、モスバーガーが「価格が高い」という意見を反映させて価格を下げると、子供連れや学生の利用が増えるかもしれません。
そうすると本来の、「落ち着いた雰囲気で本を読みながら質の良いものを食べたい」と考えているコアなファンが離れてしまいます。
マクドナルドと差別化できなくなる上、利益率が下がり、経営が悪化します。
※これはわかりやすく伝えるための例で、事実に基づいたものではありません。
ですので、「リピーター(コアなファン)がどんな人で、どんな点を魅力に感じているのか」を把握することが、リピーターを増やすための第一歩です。
大事なのは回答数ではなく、「誰の回答か」です。
ターゲットでない人の回答1万件より、コアなファン1人の回答の方が価値が高いのです。
リピーターがどんな人なのかを把握する
【Q1.性別】
【Q2.年代】
【Q3.来店頻度】
【Q4.来店時間】
【Q5.今日注文したメニュー】
【Q6.誰と来店しましたか】
Q1~Q6までがリピーターがどんな人なのか、どんなシーンで利用しているのかを把握するための設問です。
お客様の性年代すら、肌感覚と結構ずれている場合がありますので確認しましょう。
リピーターかどうかを見極める質問はこれ。
【Q3.来店頻度】
週1回以上・月2~3回・月1回・2~3ヶ月に1回・半年に1回・1年に1回・今回が初めて
「今回が初めて」の選択肢があることが重要です。
これが無いと、リピーターなのかどうかの区別がつきません。
リピーターがどんなシーンや目的で利用しているのかを把握する質問
【Q4.来店時間】
【Q5.今日注文したメニュー】
【Q6.誰と来店しましたか】
これらの設問で、どんなリピーターの方がどんなシーンや目的で利用しているのかを把握しましょう。
仕事の昼食なのか、友人とのおしゃべりなのか等、そのあたりが明確になるだけでも施策検討の役に立ちます。
リピーターが何に魅力を感じているのかを把握する
【Q7.他に色々な店がある中で、当店をお選びいただいた理由(魅力点)は何ですか?】
「魅力を教えてください」の聞き方だと、「安い」「おいしい」等、薄い回答になり、本質的な部分がわからない場合があります。
なので、「この店ならでは」の魅力を聞くことが重要です。
(Q.当店ならではの魅力を教えてください。という設問文でも良いですね。)
リピーターに改善点を聞く
【Q8.前問の「当店を選んだ理由」に関するご要望がありましたら教えてください。】
改善点を聞く質問です。
ポイントは、「その店を利用している本質的な理由」に関する要望を聞く、ということです。
「不満点を教えてください。」だけだと、それがどの程度重要な不満なのか、それが改善されると利用促進につながるのかがわかりません。
「どうなればもっと利用したくなりますか?」という聞き方もあまりお勧めしません。
お客様は普段からそのようなことは考えていないので、「安くなれば」などの回答が多くなります。短時間で答えてもらうには難しい質問ですね。
コアなファンの行動や気持ちを把握した上で、どうすればもっと利用したくなるか考え、お客様に提案してあげてください。
「ご自由にお書きください」の設問は施策につながらない
【Q9.その他何かございましたらご自由にお書きください。】
この設問の結果を何かの参考にしようとしているアンケートをよく見かけますが、このような目的がはっきりしない設問から何かの施策に結びつけるのは難しいです。
アンケートに答えにくい部分がある場合や、クレームまたは、喜びの声などを書いてもらえると思います。
アンケートの内容以外に言いたいことがある場合に、言える機会を作っておいてあげる、という意図の設問です。
最後に
以上、「飲食店でリピーターを増やすためのお客様アンケート」を解説させていただきました。
業態やメニュー、客層によって選択肢は適宜調整してください。
選択式か、記述式かは、目的や回答数によって判断していきます。
迷ったら気軽にご相談いただけると嬉しいです。
「お客様のために」行動するには、お客様を理解することが第一歩です。
ぜひ取り組んでみてください。